みなさまごきげんよう!
こんな人のための記事です。
筆者は社労士試験に、
✅2回目の受験で合格している
✅5年間の講師も経験している
という経歴をもっています。
講師も経験して断言できるのは、正しく効率的な勉強をすれば、誰しもが合格できる試験ということです。
この記事を読むと、
- 社労士試験は実際にどれぐらいの難易度なのか?
- なぜ社労士試験は難しいと言われるのか?
- 受験勉強で抑えておきたい勉強方法のポイント
などの合格までの具体的な距離と勉強方法がわかります。
社労士試験は難しすぎ?実際の難易度について
社労士試験の科目数や合格率に着目すると、難易度が簡単ではないことが分かります。まずは、過去のデータも紹介しながら解説していきます。
社労士試験の構成
社労士試験は、労働に関する法律や社会保険に関する科目など「全10科目」の幅広い知識が問われます。
- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 労災保険法
- 雇用保険法
- 労働保険徴収法
- 健康保険法
- 国民年金法
- 厚生年金保険法
- 労働に関する一般常識
- 社会保険に関する一般常識
これらの科目が出題され、試験の解答はマークシート方式となっています。
問題形式 | 科目数 | 問題数 | 得点 | 試験時間 |
選択式 | 8科目 | 8問 | 1問5点 | 80分 |
択一式 | 7科目 | 70問 | 1問1点 | 210分 |
試験の特徴は、出題範囲や問題数が多いことです。試験時間も長いので、高い集中力も必要になります。
社労士試験の合格率
社労士試験の合格率は約5%から7%です。年によって変動がありますが、常に一桁の合格率となっています。
直近5年の合格率
2023年:6.4%(受験者:42,741人 合格者:2,720人)
2022年:5.3%(受験者:40,633人 合格者:2,134人)
2021年:7.9%(受験者:37,306人 合格者:2,937人)
2020年:6.4%(受験者:34,845人 合格者:2,237人)
2019年:6.6%(受験者:38,428人 合格者:2,525人)
合格に必要な得点
社労士試験の満点は「択一式70点、選択式40点」ですが、合格に必要な得点を理解することは重要です。
直近5年の合格基準点
2023年:択一式:45点 選択式:26点
2022年:択一式:44点 選択式:27点
2021年:択一式:45点 選択式:24点
2020年:択一式:44点 選択式:25点
2019年:択一式:43点 選択式:26点
また、全体の得点に加えて、科目ごとにも基準点が設けられています。
具体的には各科目で、「択一式は1科目4点以上、選択式は1科目3点以上」の得点が必要になります。難問だった場合には救済措置が入ることもあります。
必要な勉強時間の目安
社労士試験に合格するためには、一般的に約1,000時間の学習が必要と言われています。
学習を週に20時間する場合、勉強期間は約50週かかります。効率的な学習方法を取り入れ、繰り返しの復習を行いつつ、試験の約1年前から勉強を始める人が多いです。
社労士試験の受験生は忙しい社会人であることが多いのも特徴です。
他資格との比較
社労士試験には、他の資格試験とは異なる独自の特徴が存在します。社労士試験は労働法や社会保険に関する内容が中心です。
- 公認会計士:監査、税務、コンサルティングを行う
- 行政書士:書類作成業務、許可申請の代理、相談業務をする
- 不動産鑑定士:不動産の価値を鑑定する
- 弁護士:法律の専門家として、基本的人権を守る
- 税理士:税金の専門家として税務代理、税務書類の作成、税務相談を行う
- 中小企業診断士:企業の成長戦略策定や実行のアドバイスをする
上記の点から社労士試験の個性と求められる専門性が理解できます。自分の興味やキャリアプランに合わせて、適切な資格試験を選択することが重要です。
社労士試験が難しすぎだと言われる5つの理由
合格率が低い社労士試験ですが、その理由を5つ解説します。難しいと言われるポイントを理解した上で、しっかり対策することが重要ですよ(^^)
理由①試験の範囲が広い
社労士試験が難しいと言われるのは、全10科目と勉強する範囲が広いからです。
更に科目ごとの合格基準点があるので、「苦手科目」が命取りになります。
本試験の日から逆算して、
- 効率的に
- 計画的に
- 時間を有効活用した
スケジュールを立てをして勉強をする必要があります。
理由②選択式の足切り
この選択式試験で「1点が足りず」に不合格になる受験生が非常に多いです。
選択式試験とは
✅穴埋め式の問題
✅1科目ごとに5つの空欄
✅8科目出題される
選択式には「1科目3点以上」という合格基準(ボーダー)点数が存在します。
そんな選択式の勉強方法は3つです。
❶択一式の過去問を完璧にする
❷テキストの黒字や赤字を熟読
❸穴埋め式や問題演習に挑戦
❶と❷の基本学習で選択式の7割は正解できます。そして、❸で補足して「いわゆる選択式対策」をするのがおすすめです。
難問も出題されるので、しっかりと細やかな試験対策することが求められます。
理由③法改正がある
社労士試験で出題される法律は、改正が多いことから難しいと言われます。
そして法改正された内容は、
- 択一式においても
- 選択式においても
出題される確率が高いです。
だからこそ、法改正された内容は「毎年覚え直す」必要があります。
法改正の学習方法としては、
❶法改正の教材を購入する
❷スクールの法改正講座を受講する
❸模試に出題された問題を復習する
この3パターンです。
法改正された内容を覚え直すのは大変ですが、勉強することで確実に「得点源」にすることもできます。
理由④本試験は時間との戦い
10科目が出題される社労士試験は問題数も多く、時間との戦いになります。
【社労士試験の概要】
時間帯 | 問題形式 | 科目数 | 問題数 | 試験時間 |
午前 | 選択式 | 8科目 | 40問 | 80分 |
午後 | 択一式 | 7科目 | 70問 | 210分 |
選択式と択一式の問題
選択式=1科目10分だけど深く考えるべき問題も多い
択一式=1問3分のスピートで回答する必要がある
試験時間は長いですが、ぶっちゃけ余裕はありません。
社労士試験の本番では、
❶試験時間が長いので高い集中力が必要
❷効率よく解かないと時間が足りなくなる
❸ケアレスミスは命取りになる
など、とても厳しいものです。
理由⑤年1回の一発勝負
社労士試験は年に1回の試験なので大きなプレッシャーがかかります。
社労士試験に日程
毎年8月の第4曜日に実施される
年1回の試験日に合わせて、
- 最高の知識レベルに仕上げる
- モチベーションを維持し続ける
- 当日に体調を崩さない
など整えるべきことがたくさんあります。
“1点”でも足りなければ、また翌年に受験が必要です。
1年間の受験勉強を継続することにはやはりハードルもありますからね。
難しすぎと言われる社労士試験の対策
ここからは、勉強方法や対策講座の選び方など、おすすめの社労士試験の対策について説明します。
知っておくべき勉強方法
社労士試験に向けて考えられる勉強方法は以下のとおりです。
- 基本テキストはしっかり読み込み理解する
- 過去問を解くことで試験の論点を把握する
- 模擬試験を受けて本番の感覚を養う
- 選択式対策として問題を解き文脈から答えを導くことに慣れる
- リアル若しくはオンライン講座を利用してモチベーションを維持する
- グループ学習や勉強会に参加して、他の受験生と情報交換する
- スマートフォンやパソコンを使ったデジタル学習ツールを活用する
ぶっちゃけ、勉強方法の選択肢が多いという訳ではありません。それでも自分に合った継続できる勉強方法を見つけたいですね。
忙しい社会人がライフサイクルに合わせて時間管理を行いながら、勉強するパターンが多いのが社労士試験の特徴でもあります。
受験講座の選び方
社労士講座を選ぶ際には、自分の学習方法やスケジュールに合わせて選ぶことが大切です。
選ぶ時に具体的に確認すべきことは、
- 通信講座なのか通学講座なのか
- テキストや過去問の見やすさ
- 今までの講座や講師の実績
- 質問のしやすさなど講座のサポート体制
- 受講生の口コミや評判
などを最低限は確認するようにしましょう。
講座を申し込む前には資料請求なども通して、教材や講座の雰囲気は必ず確認しておきたいところですね。
更に、受講するための費用に関することは切実な問題です。
- 教育訓練給付の対象講座なのか
- 不合格の場合に返金保証はあるのか
- 再受講制度は存在するのか
講座選びで後悔しないためにも下記の記事も参考にしてみてくださいね(^^)
»【コスパ抜群!社労士おすすめ通信講座5選】講師歴5年の現役社労士が紹介します
合格ライン到達のためのコツ
合格ラインに到達するためには、正しく効率的な勉強方法を身につけて、地道に実践することが重要です。
社労士試験で絶対に勉強すべきこと3選
❶基本テキスト(読み込む)
❷過去問(繰り返す)
❸模試(復習も)
個人的には過去問をとにかく繰り返すことで、試験での論点が明確になりました。
そうすることで、テキストの理解度も加速度的に増していきます。
基本を抑えて全体像を理解した上で、
- 出題されやすいところ
- 分かっていても引っ掛かるところ
- どうしても理解できないところ
これらの、特に力を入れて勉強すべきところをしっかりと対策していきます。
試験が近づくと模試も受験して、「現在の立ち位置」と「苦手な科目(部分)」を明確にします。そして明確になった部分を更に重点的に勉強して克服していく。このプロセスが合格に近づくための唯一のコツになります。
社労士試験でやってはいけない勉強法3選
社労士試験は難しすぎと言われますが、伸び悩む人には共通する勉強方法が存在します。
やってはいけない「非効率な勉強方法」についても知っておきましょう~!
その①繰り返し学習をしない
断言できるのは、「繰り返し」学習しないと合格できない現実です。
社労士試験は記載してきた通り、
- 勉強すべき範囲が広く
- たくさんの暗記が必要
という特徴があります。
本試験では「暗記力」が求められますが、そのためには何度も繰り返し学習することが必要です。
社労士の勉強心得
〇とにかく繰り返し学習する
×じっくりゆっくり理解する
ちなみに筆者が受験生の時は、「過去問を繰り返す」ことで基礎を固めていました。
具体的には1科目を終えるまでに、
- 講義までに3回
- 講義終わりの当日中に1回
- 科目が終わるまでに3回
合わせて最低でも7回は過去問の学習しました。
更に本試験までの回数を合わせると、全科目の過去問を「20回以上」は繰り返しました。
その②別冊でノートを作る
筆者は5年の講師経験もありますが、別冊でサブノートを作る人は伸びない傾向にあります。
なぜなら、サブノートは非効率なことやデメリットも大きいからです。
- 作成に時間がかかる
- 学習初期はポイントが掴みにくい
- 勉強した気になって満足する
- 繰り返し・反復学習の時間が減る
- 学習中期からは教材の勉強が大切
社労士受験の「テキストと過去問題集」は教材のクオリティーが高いです。
そして一番使用するそれらの教材に書き込むことが、最も効率的でありオススメです。
【筆者の図解入りの過去問(右下)】
その③独学はオススメしない
社労士試験は範囲が広いだけでなく、独特の言い回しも出てきます。
独学で勉強すると、
- 間違った理解をしてしまう
- 勉強のペースがつかみにくい
- 分からない時に質問できない
などデメリットも多いです。
王道ですが、やはり資格スクールを利用することが合格への近道です。
スクールの良いところ3選
❶教材のクオリティーが高い
❷合格するためのデータが豊富
❸講師や受験生など勉強仲間がいる
スクール同士は、受講生の集客や合格率などライバル関係にあります。
その結果、教材の質がどんどん高くなっています。
»【コスパ抜群!社労士おすすめ通信講座5選】講師歴5年の現役社労士が紹介します
社労士は難しすぎ?→ 絶対に合格できる試験です!
改めて社労士試験は、
- 合格率が約5%から7%と低い
- 平均学習時間は1,000時間以上
という難関試験と言えます。
それでもまずは、しっかりと勉強をして広い範囲の科目に対応すべく知識を積み上げる。そして法改正への対応や問題を解くための試験対策を行うことで必ず合格できる試験です。
社労士試験でするべき勉強方法は、
- 何度も繰り返し学習をする
- テキストと過去問を徹底する
- 資格スクールを利用する
このように合格するためにすべきことは実はシンプルです。
自分のライフスタイルに合わせて講座をえらびつつ、しっかりと勉強計画を立てましょう。基礎・基本の徹底した学習を心がけて、反復学習で着実に知識を積み重ねていくことで、社労士試験に合格できるようになります。
それではまたっ^^